店に入ると、鈴木さんは初めてのカンボジアのBBQスタイルに圧倒された。カチカチに硬い肉、テーブルに置かれた臭い茶色のソースが国民のお気に入りらしい。OUNさんはそのソースを豪快につけて、くちゃくちゃ音を立てながら食べる。小柄で可愛いOUNさんが、ビール5缶をグイグイ飲む姿に鈴木さんは驚くばかり。店のアルコールはビールのみ、店員は笑顔がなく、テーブルごとに担当者がつく異様な雰囲気。鈴木さんは「完全にアウェーだ」と感じた。
二人は単語だけの英語で会話。「Meat, good?」「Yes, onion, best!」とOUNさんが言う。確かに玉ねぎが一番美味しかった。鈴木さんはつい「日本じゃこうやって食べるんだ」と話しすぎ、会話が途絶える瞬間が。カンボジアの風習を尊重しないと会話が続かないと気づいた。OUNさんの胸元が気になるが、目を逸らすのに必死だ。
会計時、担当者にチップを渡すようOUNさんに教わり、鈴木さんが千円を出そうとすると「多すぎ!」と止められた。結局、適額を渡して店を後に。帰りはトゥクトゥクでアパートまで200円。鈴木さんは居酒屋開業の夢を膨らませつつ、店の様子を頭に刻んだ。でも心は、OUNさんのくちゃくちゃ食べる姿とビール5缶の衝撃でぐちゃぐちゃだ。この馬鹿な恋物語、まだ続く。
(続編あり)
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